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交通事故被害者が慰謝料について弁護士に依頼するメリット
1 交通事故の精神的苦痛について
交通事故により,大きな精神的苦痛を被る方も多いと思います。
被害者は,加害者に対して,上記のような精神的苦痛に対する賠償として慰謝料を請求できます。
2 交通事故被害者が慰謝料増額を弁護士に依頼するメリット
保険会社といっても営利企業であるため,被害者の賠償金を抑えようとしてくる場合が多いです。
そのため,慰謝料については,弁護士に依頼していない場合には,自賠責基準で提案されることが多いです。
一方で,弁護士に依頼した場合には,弁護士基準(裁判所基準)での慰謝料金額が見込めます。
一般的に,弁護士基準(裁判所基準)は自賠責基準よりも高額であるため,慰謝料について弁護士に依頼することをお勧めします。
以下では,入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡による慰謝料について,弁護士基準(裁判所基準)と自賠責基準を対比して説明します。
⑴ 入通院慰謝料
- ア 自賠責基準
- イ 弁護士基準(裁判所基準)
自賠責基準では,総治療期間×日額4200円の計算式か,もしくは,実入通院日数×2×日額4200円の計算式のうち,いずれか低い金額になります。
たとえば,総治療期間150日(実通院日数50日)の事案であれば,総治療期間150日×4200円=63万円>実入通院日数50日×2×4200円=42万円となるため,自賠責基準の慰謝料は42万円になります。
弁護士基準では総治療期間150日が基準となることが一般的であるため,79万円になります。
⑵ 後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は,等級によって,その額が異なります。
たとえば,後遺障害14級の場合,自賠責基準では,32万円である一方,弁護士基準(裁判所基準)での後遺障害慰謝料の相場は,110万円です。
⑶ 死亡による慰謝料
- ア 被害者固有の慰謝料
- イ 被害者の近親者の慰謝料
(ア) 自賠責基準
自賠責基準では,被害者固有の慰謝料は350万円となっています。
(イ) 裁判所基準
裁判所基準では,被害者が一家の支柱であった場合には,2800万円程度が相場になります。
また,被害者が母親,配偶者であった場合には,2500万円程度が相場になります。
上記以外の方であれば,2000万円から2500万円が相場になります。
前記アで説明した裁判所基準は被害者の近親者の慰謝料も含めた金額になっています。
自賠責基準では,慰謝料を請求できる親族は被害者の父母,配偶者及び子に限られます。
請求者1人の場合は550万円,請求者2人の場合には650万円, 請求者が3人以上の場合には750万円であり,亡くなった被害者に扶養されていた方がいらっしゃる場合には,上記金額に200万円が加算された金額が認められます。
⑷ 小括
このように,裁判所基準と自賠責基準では金額が大きく異なるため,弁護士に相談することをお勧めします。
交通事故の慰謝料に強い弁護士とは
1 交通事故の慰謝料に強い弁護士の条件
⑴ 最近では,テレビのCMやインターネットのホームページなどで様々な弁護士事務所の名前を見る機会が増えているかと思います。
しかし,全ての弁護士が交通事故の慰謝料の増額交渉を得意としているわけではありません。
⑵ 特に,交通事故の場合は,一般的な事件とは違い,法律の知識だけあれば解決できるものではありません。
交通事故の場合,被害者自身のケガに対する損害(人的損害)と乗っていた車両や身に着けていた物に対する損害(物的損害)があり,それぞれ生じた損害ごとに適切に金額を計算して請求・交渉する必要があります。
また,怪我の重さや交通事故との因果関係などは,医学的な知識が要求されることも少なくありません。
⑶ そして,交通事故の慰謝料は,多くの場合加害者が加入している保険会社との間で金額の交渉を行います。
保険会社はあらゆる反論を用いて慰謝料の減額をしようとしてきますので,保険会社の反論に対して的確な主張を述べていく必要があります。
⑷ このように,交通事故においては①専門的な知識と②保険会社に負けない交渉力,そして③豊富な経験と解決実績が求められます。
交通事故の慰謝料交渉に強い弁護士を探すのであれば,これらの条件をきちんと備えている弁護士を選ぶことが必要です。
2 交通事故の慰謝料に強い弁護士の探し方
⑴ 交通事故の慰謝料に強い弁護士を探す際には,ホームページの記載を参考にするのが有効な手段の1つです。
注目すべきポイントとしては,①解決実績,②交通事故に関する情報を掲載しているか,③専門家との連携の有無です。
⑵ ①解決実績は,その弁護士がどれだけ交通事故の経験があるかを判断する目安になります。
ただ解決件数を比べるだけではなく,どれだけ慰謝料を増額できたかなどの具体的な結果が載っていれば,その弁護士の交渉力をうかがい知ることができます。
⑶ ②交通事故に関する情報をホームページに掲載している場合,それだけ交通事故に力を入れていることがわかり,弁護士に交通事故の専門的な知識があると考えることができます。
⑷ また,弁護士事務所の中には医師と連携している事務所や,後遺障害の認定機関,保険会社のOBなどが所属している事務所もあります。
交通事故は法律以外にも多種多様な知識が要求されるので,③専門家との連携の有無は慰謝料の増額交渉において重要な要素といえます。
3 交通事故の慰謝料に強い弁護士に依頼する
交通事故の慰謝料は,依頼する弁護士の力量で大きく金額が変わってくることも少なくありません。
適切な賠償を受けられるよう,交通事故の慰謝料に強い弁護士に相談・依頼することをお勧めします。